ペットとは無縁だったけれど
高校時代に戸建てに引っ越すまでは団地暮らしで、ペットを飼う環境ではありませんでした。両親も、親戚もペットを飼った経験がなく、せいぜい金魚くらい。
犬猫を飼っている友人知人はいましたが、私は興味がなかったので、ペット話には耳を傾けてきませんでした。
YouTubeでめざめる
コロナ禍でYouTubeを見る時間が増えた頃、何気なくクリックした動画が引き金でした。
今までTVなどでカワイイ犬猫の映像は見てきましたが、このYouTube動画には中毒性があった。
いつの間にか毎晩、寝る前に見る習慣ができてしまいました。
ご承知のように、私は旅行が生きがいなので、ペットは飼えません。
それでも心が動きます。こんな子が傍にいてくれたら、どんなに幸せだろう。
体験者は語る
一度覚醒すると、周囲に猫飼い人が沢山いることに気づきました。会うたびに、リサーチです。「猫、飼いたくなっちゃって」
「いいよぉ、猫。飼いなよ~」
「最期を看取るのはツライよ。もう猫は飼えないわ」
「壁も家具もボロボロになるし、臭いはあるし、神経質な人には無理だよ」
などなど回答はまちまち。
関連本や保護猫サイトもいろいろ見ました。
一人暮らしや高齢者には譲れない、特に子猫は難しいと知りました。
いざ猫カフェへ
そもそも私は、猫に触れたことがないのです。
このまま、うやむやにして諦める前に、ちゃんと向き合ってみよう、と猫カフェに行ってみることにしました。
かなりの勇気が必要でした。
冬晴れの日曜の午後、予約をして出かけます。
入口で靴を3段階で消毒します。猫を守るためですと。
時間制で、1時間半の滞在。10人くらいで入店します。
15匹くらい居たでしょうか。ずっとケージにいる子、日なたで寝てる子、様々です。
一元さんの悲哀
お料理を注文して、ふれあいタイム。YouTubeでお馴染みのオモチャがあります。
猫じゃらしを手に取って、振ってみますが、誰も反応しない。動画の子は喜んで飛びついていたのに、おかしいな。
指を鼻に近づけてみても、反応があるどころか、逃げていきます。何だか悲しい。
よく考えたら、お互いに知らない同志。いきなり距離は縮まりませんよね。
近寄ってもらうには、おやつを献上するしかありません。それでも、一瞬だけの人気です。すぐに去っていく彼ら。
とりあえず触れてみる
お店の人に、猫を触るのは初めてなので、扱い方を指南してもらいました。お尻を叩いたり、頭をなでたり、少しずつ触ってみました。
猫って温かいんですね。
日なたの席に座ると、猫が膝に乗ってきます。私の席には日が当たらず、窓際の人たちが羨ましいのなんの。次は窓際の席を指定しなくては。
お食事もデザートまでいただき、楽しい猫たちとの時間は終わりを迎えました。
やっぱり無理かな
不慣れなもので、猫たちが満足するような「もふり方」が出来ませんでしたが、ま、初回ですから、こんなものでしょう。
想像していたより、ずいぶんと淡白な交流に終わってしまい、ちょっと打ちのめされた気分。猫に好かれる自信ないなぁ、と肩を落として帰路についたのでした。
遠くから眺めているしかないのかしら。