ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハゲダラのプログラムは、若返り、ストレス削減、減量、免疫力アップの4つ。若返りは1週間以上、他はすべて2週間以上の滞在が必要です。
私は若返りプログラムを選びました。

ホテル到着がお昼までなら当日の午後、それ以降のチェックインなら翌日朝から施術が始まります。
まず30分ほどドクターの問診があります。ここで脈や血圧を測り、体質や体調を聞き取り、投薬や施術の方針を決めます。英語が不安な場合は、日本語を話すスタッフの同席を依頼します。
若返りプログラムでも、減量やストレス削減などの希望があれば、それに効果のある薬や施術を用意してくれます。
問診は隔日くらいに行われますので、要望は詳しく伝えた方が良いです。言ったもん勝ちです。リストにないアイパックやフェイスパックも希望すれば、加えてもらえます。

毎夕食時にお薬と一緒に配布されるのが、この予定表です。
ここに翌日の予定が記入されています。
1日に3~6種受けることになります。詳しく見ていきましょう。

  1. Dr.s Consultation ドクターの問診
  2. Welcome Treatment 初日に行われるひざ下のマッサージ
  3. ShiroAbyanga 頭のマッサージ
  4. Vaktra Abyanga 顔のマッサージ
  5. Pada Abyanga 脚のマッサージ
  6. Hastha Abyanga 手のマッサージ
  7. Murudu Sharira Abyanga シンクロマッサージ(2名同時に行う全身マッサージ)
  8. Back & Spine 背中と背骨のマッサージ
  9. Sankara Sweda 温かいハーブ袋のマッサージ
  10. Neck & Shoulder 首と肩のマッサージ
  11. Hastha Pada Abyanga 手と脚のマッサージ
  12. Teekshana Virechana 結腸洗浄
  13. Shirodhara シロダーラ
  14. Druda Sharira Mardana 集中ボディマッサージ(パウダー)
  15. Herbal Inhalation ハーブ蒸気吸入
  16. Nasya Karma 鼻のクレンジング
  17. Pinda Sweda 温かいミルクライス袋のマッサージ
  18. Sarvanga Dhara ?
  19. Herbal Bath ハーブ風呂
  20. Steam Bath 蒸し風呂
  21. Flower Bath お花の風呂
  22. Acupuncture 鍼治療

上記の中で1週間滞在で受けられるのは、症状にもよりますが、1~8、10~11、13、15~16、19~21だと思います。首や脚、顔などの特定の箇所マッサージは、希望によります。

アーユルヴェーダと言えばシロダーラ、と言えるほど有名な、脳のマッサージ。
私も入口はこれでした。
1週間滞在では3日間、2週間滞在では4日間受けます。ドクターから、気持ちが溢れたり、思い出が蘇ったりするので、後で書き出したり、人に話したりするよう言われます。施術中はオイルの流れに集中し、決して寝ないように、とも。
現地で数人に聞きましたが、劇的な何かを感じた人はいませんでした。
私も同様です。眉間にある第三の目付近が非常に心地よくて、色がボンヤリ見えましたが、それだけでした。
でも、脳はマッサージされていたんでしょう、そう信じたいです。

施術後はタオルを巻かれて、そのまま過ごします。寝る時は取ってよいと言われますが、オイルでベトベトなので、枕にタオルを敷き、シャワーキャップをして寝ました。
洗髪はシロダーラ最終日の午後3時まで禁止です。
その間、強い紫外線、強い風に当たらないよう、エアコンや扇風機は避ける、激しい運動はダメ。朝夕のヨガや、浅いところのプールは大丈夫。

2週間のうち4回受けた施術です。
木の箱の底に、ハーブを煮立たせた鍋を置き、丸く開いた上の穴から蒸気を吸う、という仕組みです。始めは結構熱いので、顔を遠ざけないと火傷しそう。
ティッシュを渡されるので、こまめに鼻をかみます。

1週間滞在では4日目、2週間滞在では6日目に受けた施術。
下準備は助手さんですが、ドクター自ら施術してくれます。
スパイシーなオイルを、それぞれの鼻の穴から数滴2回ずつ入れ、その度に吸い込みます。
椅子に座ってから、ドクターが鼻の穴を片方ずつ押さえてる間に強く吸い込み、痰を飲まずに吐き出す。これを何度も繰り返します。その後、前項のハーバル蒸気吸入を行います。恥ずかしがらずに、ガー、ペッ、を騒々しく行うのがコツです。
ちょっとシンドイですが、終わると鼻の通りが良くなったと実感できます。
経験者は皆、口を揃えてそう言います。効果は分かりやすく、絶大です。

マッサージの最後に入ります。オイルまみれの身体が少しさっぱりするかな。
途中でハーブティー(コリアンダー)が運ばれてきます。私はコリアンダーが苦手なので、嬉しくなかったけど、頑張って飲み干しました。
湯の温度は、まちまちで、熱かったりぬるかったり。どう?と聞いてくるので、希望は正直に言った方が良いです。熱いのを我慢してフラフラになった人、いました。

この木製の箱に横たわります。
これもマッサージの最後です。ハーブ風呂のない日は、こちらです。
これも仕組みは簡単で、下にハーブを煮立たせた大鍋を2つ入れます。ハーブ蒸気吸入の全身版ですね。
この温度もまちまちなので、ちゃんと申告しましょう。初回は何が正解か分からないけど、我慢は禁物です。
終わった後はヘトヘト気味なので、ティー・エリアで水分補給をしました。本音をいえば、冷たい炭酸が飲みたい!

これは最終日の最後に入るお風呂です。
お部屋によって違うようですが、私の時はこんな感じでした。
特に香りが強い花が使われているわけでもなく、効果のほどは不明ですが、ボンヤリと過ぎし2週間を振り返っていました。

リストの中で、私が受けなかったのは、6、8、11、12、17、18で、以下は実際に受けたものになります。

シンクロ・マッサージ同様、2名が温かいハーブボール(袋)でリズミカルに全身を叩きます。血行が良くなるのでしょう。ポカポカします。

粉状にしたハーブを全身に付けてマッサージします。痩身効果があるとか。
特に痩身はお願いしていませんでしたが、硬い角質が取れて、足の踵がツルツルになりました。

鍼治療はアーユルヴェーダ・センター手前の2階、瞑想が行われる部屋になります。
お坊さんの読経テープだけが流れ、静寂な空間になっています。
マットが敷かれているので、枕元に黄色いAcupuncture Cardを置いて、ドクターが来てくれるのを待ちます。

私はリラックス効果と首・肩こり解消目的だったので、頭や首に打ちましたが、欧米人は減量のため、お腹に打っていました。皆さん、前をはだけてパンツ一丁で横たわっていらっしゃいました。すごい光景。
アイパックやフェイスパックを鍼と同時にすることも出来ます。

クリーニング・デーという下剤による洗浄の日が4日目にありました。これは拒否することもできます。
午前5時に下剤を飲み、6時まで安静にし、その後は30分おきにコップ半分の白湯を飲むという指示に従います。薬が効いて、8時半までに10回もトイレに行きました。しばらくは気持ち悪くて横になっていましたが、お腹が空いたので朝食を摂りにレストランへ行きました。

普通の食事はできないので、スタッフに「今日はクリーニング・デーだ」と伝えて、特別食を持ってきてもらいます。
朝は赤米のお粥。味がほとんどないけど、腹ペコなので完食しました。

9時半ごろドクターが部屋まで来てくれて問診。トイレの回数を聞かれ、血圧チェックとお腹の触診。まだ薬が効いていて腸が動いているので、白湯は飲み続けること、ランチの後は水も白湯も飲まなくてよい、昼夕食は特別食を摂るように、そして「よい1日を!」と、それだけ日本語で言って去っていきました。

クリーニング・デーの午後には、顔と脚のマッサージだけ受けました。
お腹に力が入りません。

前述のクリーニング・デーで浄化は完了したと思い込んでいたので、これが終盤にあったのは驚きでした。
これもドクターが施術するもので、下準備のあと、ゴムのホースでオイルを入れます。特に痛みは感じません。その体勢で10分待ち、部屋に戻って30分横になるよう言われます。施術した日は、生野菜や果物は食べてはなりません。

これで終わりかと思いきや、1日空けて(ドクターが休み)翌々日から2日続けて行われました。2回目はハーブ水を入れられて、10分待機してからトイレへ行くようにという指示。今回はすぐにお腹が痛くなり、脂汗かきながらの10分は非常に長く感じました。
3回目はオイルだったので、少しは楽で良かったです。
水とオイルは交互なのか?と聞いたら、午後はオイルで、午前は水だとのこと。
効用は、ドーシャのバランスを整え、痛みを抑えるとか。とても良い施術なんだそうです。

これは症状によりますが、ドクター直々の施術は、普通のマッサージと違い、特別なものでした。
私は肩こりが酷かったので、肩の施術でしたが、丁寧にマッサージした後に蒸気を吹き付けます。何がどう違うのか分かりませんが、普通のマッサージが力によるほぐしだとすれば、より緻密な働きかけとでも言うのでしょうか。
最後の2回しか受けられませんでしたが、気持ちよくて大満足でした。

各自、薬を処方されます。大体、朝食と夕食時に飲みます。
レストランの入口の棚に、部屋番号ごとに薬と翌日のスケジュールが置かれてあります。
薬は何種類もあり、食前と食後、就寝前など指定されていて、通になると、この棚の所で食前の薬をグッとあおってから、食卓に就きます。

私は途中から変更になりましたが、1週間滞在の人たちは最後まで食後の粉薬を、飲みづらそうにしていました。リラックス効果があると言われましたが、効果のほどは良く分かりません。

2週間滞在の場合は、普通のドクター以外に、チーフ・ドクターが付きます。2回目と最後はチーフ・ドクターの問診です。
1週間滞在も同様のようですが、最後の問診では、今後の生活や栄養指導があります。A4両面のフードリストをくれるので、毎日食べるべきもの、時々食べるものが一目瞭然です。お酒は書いてなかったので聞いてみたら、週に2回ならOKと言われました。良かった。
私は薬は不要でしたが、1週間滞在の人で痩せる薬をここで買った人がいました。
アイパックもこの時に注文できます。土のようなもので、水を混ぜて使います。買おうとしたけれど、正月休みのバタバタなのか、チェックアウトに間に合いませんでした。残念。

ある体験談には、10日目から身体が変わってきた、とありました。
そのあたりから、意識していたのですが、特に何も起こりません。初めての施術をいろいろ受けましたが、劇的な変化は感じませんでした。
強いて言えば、汗をかきやすくなったかも。代謝が良くなったのでしょう。
そうそう、鼻の通りは良くなりましたね。とても深く呼吸ができるようになりました。

下剤や浣腸をもってしても、体重は1キロしか減りません。
もともとの体重がちょうど良いというこなのか。
あれだけのことをしたのですから、目には見えねど、身体の中は相当きれいになったことでしょう。

待合室。蓮の花は午前中だけ咲きます。
ここで風を感じながら休憩するのが好きでした。

先ほど、アーユルヴェーダ用語を検索していたら、「アーユルヴェーダ施術は3週間を要する」と書かれているのを見つけました。そうか、あと1週間足りなかったか。どうりで、現地で仲良くなったスイス人は3週間いるって言ってたっけ。次回は3週間滞在しないと、ですかね。